ヒアルロン酸注入|しわ・くぼみ・輪郭を自然に整える治療
ヒアルロン酸注入は、加齢などによって目立ってきたしわや溝、くぼみ、顔のボリューム低下に対し、ヒアルロン酸製剤を皮膚や皮下組織の適切な層へ注入する治療です。
単に気になる線を埋めるのではなく、顔全体の骨格、脂肪の位置、皮膚の厚み、左右差、表情の動き、たるみの程度を確認し、必要な部位へ必要な量だけ注入することが大切です。
当院では、過度にふくらませる治療ではなく、その方の表情や顔立ちになじむ自然な変化を目指します。ただし、得られる変化や持続期間には個人差があり、希望した仕上がりを保証する治療ではありません。
ヒアルロン酸注入とは
ヒアルロン酸は、もともと皮膚や関節など体内にも存在し、水分を保持する性質を持つ物質です。美容医療で用いるヒアルロン酸製剤は、注入した部位に一定期間とどまるよう加工されており、組織を内側から補うことで、しわやくぼみ、輪郭の変化を目立ちにくくします。
注入直後から変化を確認しやすい治療ですが、直後は腫れやむくみも含まれています。通常は1~2週間ほどかけてなじみ、必要に応じて2~4週間後に仕上がりを評価します。
注入したヒアルロン酸は時間とともに少しずつ分解・吸収されるため、効果は永続的ではありません。また、ヒアルロン酸注入は余った皮膚そのものを切除する治療ではないため、たるみが強い場合には、注入だけで十分な変化が得られないことがあります。
適応となるお悩み
ほうれい線
鼻の横から口元にかけて伸びる溝です。加齢による頬のボリューム低下や組織の下垂により深く見えることがあります。溝だけに注入するのではなく、頬の支えや顔全体のバランスを確認して治療計画を立てます。
マリオネットライン・口元のしわ
口角からあごに向かって伸びる線や、口の周囲に生じるしわです。皮膚の厚みや表情の動きを確認し、柔らかさの異なる製剤を使い分けます。
額・こめかみ・頬のボリューム低下
額やこめかみ、頬のくぼみは、顔がやつれたように見えたり、影によって疲れた印象につながったりすることがあります。周囲との連続性を確認しながら、少量ずつ補う治療を検討します。
額やこめかみは重要な血管が走行する部位であり、血流障害や視覚障害につながる合併症に特に注意が必要です。すべての方に注入できるわけではなく、過去の手術歴や注入歴を含めて慎重に適応を判断します。
頬のこけ・中顔面のボリューム低下
頬のボリュームが減少すると、ほうれい線や顔の影が目立つことがあります。頬そのものだけでなく、中顔面全体の立体感を確認し、不自然なふくらみにならないよう調整します。
あご・フェイスラインのバランス
あごの形や下顔面のバランスを整える目的で、ヒアルロン酸注入を検討することがあります。骨格やかみ合わせ、筋肉の動きによって適した治療は異なります。
軽度の左右差や局所的なくぼみ
もともとの骨格差や加齢によるボリューム変化に対し、左右差を目立ちにくくする目的で使用することがあります。完全な左右対称を保証する治療ではありません。
ヒアルロン酸注入以外の治療が適している場合
しわやたるみの原因は一つではありません。状態によっては、次のような治療の方が適していることがあります。
- 表情を作ったときに目立つしわ:ボツリヌストキシン注射
- 皮膚表面の細かいしわや肌質低下:コラーゲン注射、水光注射、レーザー・高周波治療など
- 皮膚や脂肪の下垂が強いたるみ:糸リフトや外科的治療
- 目の下のふくらみ・くぼみ:原因に応じてコラーゲン注射、経結膜脱脂術、表ハムラ法、裏ハムラ法など
- ニキビあとによる癒着性のくぼみ:サブシジョンなど
診察では、ヒアルロン酸注入を行うことを前提にせず、治療を急がない選択も含めてご説明します。
当院で行うヒアルロン酸注入
顔全体の構造と表情を確認します
しわの直下だけに多量の製剤を入れると、不自然なふくらみや輪郭の変化につながることがあります。当院では、顔面の骨格、脂肪、皮膚、筋肉の動きと、気になる部位との関係を確認したうえで注入部位を決めます。
少量ずつ調整し、過度な注入を避けます
ヒアルロン酸は、注入量が多いほどよいわけではありません。必要な量を少量ずつ注入し、正面だけでなく斜めや横からも確認しながら調整します。たるみやくぼみの程度によっては、無理に1回で仕上げず、経過を見て追加治療を検討します。
部位と目的に応じて3種類の製剤を使い分けます
当院では、ガルデルマ社の国内承認ヒアルロン酸製剤を採用しています。いずれも1mLの使い切り製剤で、注入時の痛みに配慮してリドカイン(局所麻酔薬)が配合されています。
| 製剤 | 主な特徴 | 当院で検討することが多い目的 |
|---|---|---|
| レスチレン® リフト™ リド | NASHA®テクノロジーを用いた、比較的硬く支える力のある製剤 | 深いしわや溝、しっかりした支持が必要な部位 |
| レスチレン® ディファイン | 適度な柔軟性と伸縮性を持つOBT™製剤 | ほうれい線、マリオネットライン、表情の動きを保ちながら支えたい部位 |
| レスチレン® リファイン | より柔らかく伸縮性の高いOBT™製剤 | 口元など動きの多い部位、比較的浅いしわや自然ななじみを重視する部位 |
製剤の選択は、希望だけで決めるものではありません。注入する層、皮膚の厚み、必要な支持力、過去の治療歴などを踏まえて医師が提案します。
診察当日に処置できますか?
診察のうえで適応があり、必要な製剤の在庫と施術枠に空きがある場合は、初診当日にヒアルロン酸注入を行えることがあります。
ただし、次のような場合は、当日施術を行わず後日にご案内することがあります。
- 注入部位や必要量を十分に検討する必要がある場合
- 過去の注入剤の種類や位置が分からない場合
- 注入部位に炎症、感染、強い肌荒れがある場合
- 内服薬や持病について確認が必要な場合
- 近日中に歯科治療、予防接種、レーザー・ピーリングなどの予定がある場合
- 大切な行事が近く、内出血や腫れを避けたい場合
- 予約状況や製剤在庫により、十分な施術時間を確保できない場合
当日施術をご希望の場合も、診察の結果によっては施術を見合わせることがあります。あらかじめご了承ください。
施術概要・料金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 診療区分 | 自由診療(公的医療保険は適用されません) |
| 施術時間 | 注入のみで約15~30分が目安。診察・説明・準備を含む時間は部位数などで異なります |
| 麻酔 | 製剤にリドカインを配合。必要に応じて冷却や追加麻酔を検討します |
| 治療回数 | 通常1回。状態により追加注入や再治療を検討します |
| 変化の現れ方 | 注入直後から確認しやすい治療ですが、腫れが落ち着く1~2週間後を目安に評価します |
| 持続期間 | 製剤、部位、注入量、表情の動き、代謝などにより異なります。一般には数か月~1年程度が一つの目安ですが、これより短い・長い場合があります |
| 主なダウンタイム | 赤み、腫れ、痛み、圧痛、内出血など。多くは数日で軽快しますが、内出血は1~2週間程度続くことがあります |
| 洗顔・入浴 | 当日から可能ですが、注入部位を強くこすらず、長時間の入浴やサウナは避けてください |
| メイク | 針穴からの出血が止まり、医師から許可された後に可能です。注入部位を強くこすらないでください |
料金
| 部位・使用量 | 料金(税込) |
|---|---|
| 額(2mL使用) | 77,000円 |
| こめかみ・頬・ほうれい線・マリオネットライン・あご(1mL使用) | 55,000円 |
| ヒアルロン酸1本(1mL)追加 | 22,000円 |
上記のほか、初診料3,300円または再診料1,100円がかかります。必要な本数は、診察で状態と希望を確認したうえでご提案します。
施術を受けられない方・慎重な判断が必要な方
次に当てはまる方は施術を行えない、または延期・慎重な判断が必要となる場合があります。
- ヒアルロン酸製剤の成分、連鎖球菌・グラム陽性菌由来タンパク、リドカインなどのアミド型局所麻酔薬に対する過敏症の既往がある方
- 注入予定部位に、強い炎症、化膿したニキビ、感染、発疹、傷、腫瘍などがある方
- 妊娠中または授乳中の方(安全性・有効性が確立していないため、原則として治療を延期します)
- 18歳未満の方(安全性・有効性が確立していません。未成年の方は保護者の同伴が必要です)
- 重いアレルギーやアナフィラキシーの既往がある方
- 自己免疫疾患、免疫抑制状態、重い肝・腎機能障害などがある方
- 出血しやすい病気がある方、抗凝固薬・抗血小板薬などを使用している方
- ヘルペスを繰り返している方
- ケロイドや肥厚性瘢痕、炎症後色素沈着を生じやすい方
- 注入部位に種類の分からないフィラー、シリコン、その他のインプラントが入っている方
- 直近に顔面手術、歯科治療、予防接種、レーザー・ピーリングなどを受けた方、または予定している方
内服薬は自己判断で中止しないでください。お薬手帳をお持ちいただき、医師へご相談ください。
治療後の注意点
- 施術後24時間は、激しい運動、飲酒、長時間の日光・高温環境を避けてください。
- 当日は長風呂、サウナ、岩盤浴など、体温が大きく上がる行為を控えてください。
- 腫れや赤みがある間は、強い紫外線、極端な暑さ・寒さを避けてください。
- 洗顔やスキンケアはやさしく行い、注入部位を強く押す、揉む、流すなどの自己流マッサージはしないでください。
- エステ、フェイシャルマッサージ、美顔器などは、腫れや痛みが落ち着き、医師の許可が出るまで控えてください。
- レーザー、ピーリング、他の注入治療、歯科治療を予定している場合は、治療時期を調整することがあります。事前にご相談ください。
- 冷却する場合は、保冷剤を布で包み、短時間ずつ使用してください。皮膚へ直接当て続けないでください。
- 処方薬や個別の指示がある場合は、その内容を優先してください。
副作用・合併症
比較的よくみられる症状
赤み、腫れ、むくみ、痛み、圧痛、かゆみ、違和感、針穴、内出血などがみられることがあります。多くは数日から1週間ほどで軽快しますが、内出血や腫れが1~2週間程度続く場合があります。
そのほかに起こり得る症状
凹凸、しこり、左右差、過不足、不自然なふくらみ、青白く透けて見える変色(チンダル現象)、製剤の移動、長引くむくみ、感染、膿瘍、ヘルペスの再活性化、感覚の変化、神経症状、アレルギー反応、肉芽腫、遅れて生じる結節・炎症反応などがあります。
副作用は施術直後だけでなく、数週間、数か月以上たってから現れることもあります。注入部位の腫れ、赤み、痛み、しこりが続く場合はご連絡ください。
まれですが重大な血流障害
ヒアルロン酸が血管内に入る、または周囲から血管を圧迫すると、皮膚への血流が妨げられ、皮膚壊死、潰瘍、瘢痕などを生じることがあります。さらにまれですが、眼につながる血管や脳の血管へ影響し、視力低下・失明・脳梗塞など、重い後遺症につながる可能性があります。
針ではなくカニューレを使用した場合も、この危険を完全になくすことはできません。
次の症状がある場合は、翌日まで待たず直ちに連絡してください
- 注入部位やその周囲の、通常とは異なる強い痛み・増していく痛み
- 皮膚が白い、灰色、紫色になる、網目状に変色する、冷たくなる
- 水ぶくれ、ただれ、急速に広がる腫れ
- 視界がかすむ、見えにくい、二重に見える、視野が欠ける、眼が痛い
- 強い頭痛、まぶたが下がる、吐き気、手足の麻痺、言葉が出にくいなどの症状
視覚症状や神経症状がある場合は緊急性があります。当院へ連絡すると同時に、診療時間外など直ちに連絡がつかない場合は119番へ連絡し、ヒアルロン酸注入後であることを伝えてください。
ヒアルロン酸は溶かせますか?
医学的に必要と判断した場合は、ヒアルロニダーゼという分解酵素を注射し、ヒアルロン酸を減らす治療を検討できます。ただし、次の点に注意が必要です。
- 1回ですべてを分解できるとは限りません。
- 注入前とまったく同じ状態へ戻ることを保証するものではありません。
- 複数回の処置が必要になる場合があります。
- 腫れ、痛み、内出血、アレルギー反応、まれにアナフィラキシーなどの副作用があります。
- 血流障害や感染など、原因によってはヒアルロニダーゼ以外の治療や専門医療機関との連携が必要です。
自己判断で他院の溶解注射を受ける前に、使用した製剤名、注入部位、注入時期、注入量を確認し、医師へお伝えください。
自由診療・承認範囲に関する表示
本治療は美容目的の自由診療であり、公的医療保険は適用されません。
当院で使用するレスチレン® リフト™ リド、レスチレン® ディファイン、レスチレン® リファインは、医薬品医療機器等法に基づく国内承認を受けた医療機器で、ガルデルマ株式会社から国内の正規流通経路を通じて入手しています。
各製剤の承認された使用目的は、中等度から重度の顔のしわ(ほうれい線等)の矯正・整容です。口唇、眼瞼への使用や隆鼻術など、形状の変更を目的とした使用は承認適応に含まれません。また、額、こめかみ、頬、あごなどへのボリューム補正・輪郭形成は、部位や目的により承認範囲外使用となる場合があります。
承認範囲外で使用する場合、同様の目的に対して国内承認を受けた別のヒアルロン酸製剤が存在することがあります。当院では、製剤の特性、治療部位、既往歴、期待する変化などを検討し、承認範囲外であること、国内承認された代替治療の有無、主なリスクを説明したうえで治療を行います。
ご予約について
ほうれい線、マリオネットライン、額・こめかみ・頬のくぼみ、あごのバランスなどが気になる方は、まずは診察でご相談ください。状態を確認し、ヒアルロン酸注入が適しているか、ほかの治療が適しているかを含めてご説明します。
WEB予約からは「美容皮膚科・美容外科のご予約」→「初診」をお取りください。
LINE予約からは「美容カウンセリング予約」をお取りください。
診察のうえで適応があり、製剤在庫と施術枠に空きがある場合は、診察当日に施術できることがあります。部位、必要量、皮膚の状態、過去の治療歴、予約状況によっては後日の施術となります。