ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入とは
ヒアルロン酸注入は、加齢などにより目立ってきたしわ、溝、ボリューム低下に対して、ヒアルロン酸製剤を皮膚や皮下組織の適切な層に注入し、へこみや輪郭の変化を補う治療です。
ヒアルロン酸注入は顔全体の骨格、脂肪の位置、皮膚の厚み、表情の動き、たるみの程度を診察したうえで、注入量や注入部位を慎重に判断することが大切です。
適応となる肌悩み
ヒアルロン酸注入は、主に次のようなお悩みに対して検討されます。
ほうれい線
鼻の横から口元にかけて目立つ溝です。加齢による頬のボリューム低下やたるみにより深く見えることがあります。溝だけに注入するのではなく、頬の支えや顔全体のバランスを見ながら治療を検討します。
マリオネットライン
口角からあごに向かって伸びる線です。口元が下がって見える、疲れて見える、不機嫌そうに見えるといった印象につながることがあります。
頬のこけ・中顔面のボリューム低下
頬のボリュームが減ると、顔がやつれて見えたり、ほうれい線が強調されたりすることがあります。必要に応じて、頬の支えを補うことで自然な印象を目指します。
口元やフェイスラインの軽度なたるみ感
たるみの程度が軽い場合、ヒアルロン酸で支えを補うことで、輪郭の乱れや影を目立ちにくくできる場合があります。ただし、皮膚の余りが強い場合や脂肪の下垂が強い場合には、注入治療だけでは十分な変化が得られにくいことがあります。
あご・輪郭のバランス
あごの形や下顔面のバランスを整える目的でヒアルロン酸注入を検討することがあります。製剤の種類、注入層、必要量を慎重に判断します。
当院で採用しているヒアルロン酸製剤
当院では、現在以下の2種類を採用しています。
- レスチレン®ディファイン
- レスチレン®リファイン
どちらもガルデルマ社のレスチレン®シリーズに含まれるヒアルロン酸製剤です。レスチレン®シリーズはNASHA®とOBT™という2つのゲルテクノロジーを持つ製剤群で、その中でもディファインとリファインはOBT™に分類されます。
レスチレン®ディファイン
レスチレン®ディファインは、適度な柔軟性を持つOBT™製剤です。
レスチレン公式情報では、顔の動きに適応しながら自然な表情を保つこと、また頬・鼻唇溝・顎などの治療部位が示されています。
当院では、主に次のような部位で使用を検討します。
- ほうれい線
- マリオネットライン
- 頬の軽度なボリューム低下
- 口元周囲の支えが必要な部位
比較的しっかり支えたいが、表情の動きも妨げたくない部位に向いている製剤です。
レスチレン®リファイン
レスチレン®リファインは、レスチレンシリーズの中でも柔らかく伸縮性が高いOBT™製剤です。公式情報では、口元やマリオネットラインなど、顔の中でも特に動きの多い部位に適しているとされています。
当院では、主に次のような部位で使用を検討します。
- 口元のしわ
- マリオネットライン
- 浅めのほうれい線
- 動きが大きく、自然ななじみを重視したい部位
柔らかくなじみやすいため、表情を作ったときの違和感をできるだけ抑えたい部位に向いています。
レスチレン®ディファイン・リファインを採用している理由
自然な表情になじみやすい
顔は、笑う、話す、食べるなど、常に動いています。
特に口元や頬は動きが大きいため、ヒアルロン酸製剤の硬さや伸縮性が仕上がりに影響します。
レスチレン®ディファインとレスチレン®リファインは、OBT™という技術により、柔軟性や伸縮性を持たせた製剤です。レスチレン公式情報でも、OBT™は伸縮性が高く柔軟性に富むゲルで、皮膚の動きや表情の変化に合わせやすいと説明されています。
口元・ほうれい線・マリオネットラインとの相性がよい
当院では、ヒアルロン酸注入を希望される方の多くが、ほうれい線、マリオネットライン、口元のしわ、疲れた印象などを気にされています。
これらの部位は、硬い製剤で強く持ち上げるよりも、自然ななじみや表情の動きを重視した方がよい場合があります。ディファインとリファインは、このような部位に使用しやすい製剤と考えています。
製剤を使い分けやすい
同じレスチレン®シリーズでも、ディファインとリファインでは質感が異なります。
ディファインは適度な硬さがあり、支えや輪郭を意識したい部位に使用しやすい製剤です。リファインはより柔らかく、口元のような動きの多い部位に使用しやすい製剤です。レスチレン公式の製剤比較でも、ディファインは「適度な硬さ」、リファインは「柔らかい」と説明されています。
国内承認を受けた製剤である
レスチレン®ディファインは医療機器承認番号30700BZX00281000、レスチレン®リファインは30700BZX00282000として掲載されています。
また、電子添付文書では、いずれもヒアルロン酸20mg/mL、リドカイン塩酸塩3mg/mLを含有する製剤であることが記載されています。
他社製剤との比較について
ヒアルロン酸製剤には、複数のメーカー・複数の種類があります。
他社製剤を含め、それぞれに硬さ、伸び、なじみやすさ、持ち上げる力、適した注入層などの違いがあります。
そのため、単純に「どのメーカーが一番よい」とは言えません。
当院では、現在の診療方針として、口元やほうれい線、マリオネットラインなど、表情の動きが大きい部位に自然になじみやすいことを重視し、レスチレン®ディファインとレスチレン®リファインを採用しています。
特に当院のヒアルロン酸注入では、過度にボリュームを出すよりも、表情になじむ自然な変化を大切にしています。