二重埋没法
二重埋没法は、上まぶたを大きく切開せず、医療用の細い糸をまぶたの中に通して二重のラインを形成する手術です。
一重まぶたを二重にしたい方だけでなく、もともとの二重幅を調整したい方、左右差が気になる方、日によって二重のラインが安定しない方などに行われます。
当院では、1本の糸を複数箇所で交差させながら固定する「一糸多交差4点留め法」と「一糸多交差6点留め法」を行っています。
二重埋没法はどんな施術ですか?
二重まぶたでは、目を開けたときに上まぶたの皮膚が内側へ引き込まれ、皮膚に折れ込みが生じることで二重のラインができます。
二重埋没法では、希望する二重ラインに沿ってまぶたの皮膚側と深部組織を糸で連結し、目を開けたときに皮膚が折れ込む状態をつくります。
皮膚を長く切開する二重切開法と異なり、針穴程度の小さな創から糸を通すため、一般的には傷あとが目立ちにくく、切開法より腫れや内出血が比較的少ない傾向があります。一方で、時間の経過とともに糸が緩んだり、二重のラインが浅くなったりする可能性があります。
「自然癒着法」とは
当院の一糸多交差法は、日本の美容医療で「自然癒着法」と案内されることのある連続埋没法の考え方を取り入れた方法です。
ただし、「自然癒着法」は学術的に統一された一つの術式名ではありません。糸の通し方や固定位置、微小切開や組織処理の有無などは医療機関によって異なります。
当院では施術内容を明確にするため、「一糸多交差4点留め法」「一糸多交差6点留め法」としてご説明しています。
適応となる目元のお悩み
二重埋没法は、次のようなお悩みがある方に検討されます。
- 一重まぶたを自然な二重にしたい
- 日によって二重のラインが変わる
- もともとの二重幅を少し広げたい
- 左右の二重幅を近づけたい
- アイプチや二重テープの使用を減らしたい
- 上まぶたを大きく切開する手術には抵抗がある
- できるだけ傷あとを目立ちにくくしたい
- 長いダウンタイムを取りにくい
埋没法が適さない方
次のような場合には、埋没法だけでは希望する状態をつくりにくく、二重切開法や上まぶたのたるみ取り、眼瞼下垂手術などをご提案することがあります。
- 上まぶたの皮膚のたるみが強い
- まぶたが厚く、脂肪や皮下組織が多い
- 幅の広い二重を希望している
- 過去に埋没法を繰り返し受けている
- 埋没法を行っても短期間で何度もラインが消えている
- 目の開きにくさや視野の狭さがある
- 眼瞼下垂が疑われる
- まぶたに湿疹、かぶれ、ものもらいなどの炎症がある
- 強いドライアイや治療中の眼科疾患がある
「まぶたが重い」「目が開きにくい」という症状がある場合は、単なる二重の問題ではなく、眼瞼下垂や皮膚のたるみが関係していることがあります。二重埋没法と眼瞼下垂手術は目的が異なるため、診察で目の開きや眉毛の動き、皮膚のかぶさりなどを確認します。
埋没法と切開法の違い
二重埋没法
まぶたを大きく切開せず、糸で二重ラインを形成します。
傷あとやダウンタイムを抑えやすい一方、糸の緩みや組織の変化によって、将来的に二重ラインが浅くなったり消えたりする可能性があります。
二重切開法
希望する二重ラインに沿って皮膚を切開し、必要に応じて皮膚や眼輪筋、脂肪などを調整して二重を形成します。
埋没法よりも腫れや内出血が長く続く傾向があり、切開した傷あとが残りますが、まぶたが厚い方や皮膚のたるみがある方にも対応できる場合があります。
どちらの方法が適しているかは、希望する二重幅だけでなく、まぶたの厚み、皮膚の余り、脂肪量、目の開き方などを総合して判断します。
施術回数・治療期間・費用
通常必要となる施術回数
通常は1回の手術で行います。
術後1~2週間前後を目安に経過診察を行います。二重ラインがなじむまでには、数週間から2か月かかることがあります。
糸が緩んだ場合や、二重ラインの変更を希望する場合には、再手術や抜糸が必要になることがあります。
施術料金
- 一糸多交差4点留め法(両側):99,000円(税込)
- 一糸多交差6点留め法(両側):165,000円(税込)
上記以外に、初診料・再診料がかかります。二重埋没法は美容目的の自由診療となり、公的医療保険は適用されません。
当院で行う二重埋没法
一糸多交差4点留め法
1本の医療用糸を使用し、二重ライン上の4か所を交差させながら固定する方法です。
比較的シンプルな二重デザインを希望する方や、まぶたの状態と固定範囲のバランスを重視する場合に検討します。
一糸多交差6点留め法
1本の医療用糸を使用し、二重ライン上の6か所を交差させながら固定する方法です。
固定する範囲を広く取りたい場合や、複数箇所で二重ラインを細かく調整したい場合に検討します。
4点留めと6点留めの選び方
固定箇所が多いほど、すべての方で二重が長持ちするとは限りません。
次のような項目を診察で確認し、適した方法をご提案します。
- まぶたの厚み
- 皮膚や脂肪の量
- 希望する二重の幅や形
- もともとの二重ライン
- 左右差
- 過去の埋没法の回数
- 目を開ける筋肉の働き
連続埋没法と複数の独立した糸で固定する方法を比較した研究では、術式によって二重ラインの消失や糸に関連する合併症の発生率に差があったと報告されています。ただし、研究ごとに糸の通し方や患者背景が異なるため、その結果が当院の術式やすべての患者さんにそのまま当てはまるものではありません。
診察当日に施術できますか?
二重埋没法は、原則として診察・カウンセリングと施術日を分けてご予約いただいています。
ただし、午前中に診察を受けていただき、当日の13時からの手術枠に空きがあり、診察で埋没法の適応が確認できた場合には、診察当日に施術できることがあります。
次のような場合は、後日の施術となります。
- 当日の手術枠に空きがない
- デザインについて時間をかけて検討した方がよい
- まぶたに炎症や皮膚トラブルがある
- 眼瞼下垂や眼科疾患の確認が必要
- 過去の手術内容を詳しく確認する必要がある
- 施術部位や範囲、まぶたの状態から当日施術が適さない
- 内服薬の休薬や持病について主治医への確認が必要
当日施術をご希望の場合も、予約状況や診察結果によって後日になることがあります。
あらかじめご了承ください。
施術を受けられない場合・注意が必要な場合
次のような場合は、施術を延期またはお断りすることがあります。
- 妊娠中または妊娠の可能性がある
- まぶたや目の周囲に感染、湿疹、強い炎症がある
- ものもらいや結膜炎などを治療中である
- 全身状態が安定していない
- 血液を固まりにくくする薬を服用している
- 局所麻酔薬や医療材料に重いアレルギー歴がある
- 希望する二重が医学的に実現困難と判断される
- 手術内容や副作用について十分な理解や同意が得られない
- 15歳未満の方
内服薬を自己判断で中止することは危険です。抗血栓薬などを服用している方は、必ず事前にお知らせください。
治療後の注意点・副作用
施術後に起こりやすい症状
施術後には、次のような症状がみられることがあります。
- 腫れ、むくみ
- 内出血
- 痛み、圧痛
- つっぱり感
- ゴロゴロするような違和感
- 一時的な目の開けにくさ
- 左右差
- 二重幅が予定より広く見える
- 二重ラインの食い込み
- 切開部位の赤み
- 涙が出やすい
- 目の乾燥感
腫れやむくみがある間は、二重幅が広く見えたり、左右差が目立ったりすることがあります。術後早期の状態だけで最終的な二重ラインを判断することはできません。
施術後の過ごし方
施術当日は、まぶたを強くこすったり、長時間うつむいたりしないようにしてください。
また、腫れや内出血が悪化する可能性があるため、施術後数日間は次の行動を控えてください。
- 激しい運動
- 長時間の入浴
- サウナ
- 多量の飲酒
- まぶたのマッサージ
- 強く目をこする行為
洗顔、シャワー、メイク、コンタクトレンズの再開時期は、施術内容や術後の状態によって異なります。施術後にお渡しする説明書と医師の指示に従ってください。
まつげパーマ、まつげエクステ、目元のマッサージなどは、腫れが落ち着いてから行ってください。
考えられる副作用・合併症
二重埋没法では、次のような副作用や合併症が生じる可能性があります。
- 二重ラインが浅くなる、消失する
- 糸が緩む、外れる
- 左右差
- 希望した幅や形との違い
- 二重ラインが高すぎる、低すぎる
- 複数のラインができる
- 不自然な食い込み
- 糸の結び目が触れる、膨らんで見える
- 糸の露出
- 糸による炎症や肉芽腫
- 感染
- 血腫
- まぶたのしこりや陥凹
- ドライアイ症状
- 眼瞼下垂の発生または悪化
- 局所麻酔薬などによるアレルギー
- 角膜や結膜への刺激・損傷
- 抜糸や修正手術が必要になる可能性
埋没糸が結膜側へ露出すると、異物感、充血、痛み、涙、角膜障害などを起こすことがあります。術後しばらく経過してから症状が現れる場合もあるため、目の違和感が続く場合は放置せず受診してください。
早めの受診が必要な症状
次のような症状がある場合は、経過観察せず当院へご連絡ください。
- 急速に腫れが強くなる
- 強い痛みが続く
- 出血が止まらない
- 目が開けられないほど腫れている
- 強い充血や目やにがある
- 強い異物感や眼球の痛みがある