脂肪腫|皮膚の下にできるやわらかいしこり
脂肪腫とは
脂肪腫は、皮膚の下の脂肪組織にできる良性の腫瘍です。
「皮膚の下にやわらかいしこりがある」「少しずつ大きくなってきた」「押すと動くふくらみがある」といった症状で気づかれることがあります。
多くはゆっくり大きくなり、痛みを伴わないことが多いですが、大きさ・部位・増大の速さによっては、他の皮膚・皮下腫瘍との鑑別が必要です。
脂肪腫は、形成外科や皮膚科で診察することの多い皮下腫瘍のひとつです。日本形成外科学会などの形成外科診療ガイドラインでも、皮膚軟部腫瘍の一つとして脂肪腫の診断・治療が扱われています。
どんな病気か
皮膚の下にできる良性のしこりです
脂肪腫は、脂肪細胞が増えてできる良性腫瘍です。
皮膚表面ではなく、皮膚の下に「丸いふくらみ」「やわらかいしこり」として触れることが多いです。
よくみられる部位は、背中、肩、首、腕、太もも、お尻などです。体のどこにでもできる可能性があります。
粉瘤とは異なります
脂肪腫とよく間違われるものに「粉瘤」があります。
粉瘤は皮膚の下に袋状の構造ができ、角質や皮脂のような内容物がたまる病気です。一方、脂肪腫は脂肪組織が増えてできる腫瘍です。
見た目や触った感じだけでは区別が難しいこともあるため、診察で確認することが大切です。
主な症状
やわらかいしこり
脂肪腫は、皮膚の下にやわらかく、比較的よく動くしこりとして触れることが多いです。
痛みがないことが多い
多くの場合、痛みはありません。
ただし、神経の近くにある場合、圧迫される部位にある場合、大きくなって周囲組織を押す場合などには、違和感や痛みを伴うことがあります。
少しずつ大きくなることがあります
脂肪腫は、長い時間をかけてゆっくり大きくなることがあります。
小さいうちは気にならなくても、大きくなると服に当たる、座ると違和感がある、見た目が気になるなど、日常生活で気づかれることがあります。
受診の目安
次のような場合は、早めの受診をおすすめします。
しこりが大きくなってきた
以前より明らかに大きくなっている場合は、診察で確認しましょう。
短期間で急に大きくなった
急速に大きくなるしこりは、脂肪腫以外の病気との鑑別が必要です。
痛みがある、硬い、動きにくい
痛みがある、触ると硬い、皮膚や深い組織に固定されて動きにくい場合は、詳しい評価が必要になることがあります。
5cm以上ある、深い場所にある
大きいしこりや深い場所にあるしこりでは、超音波検査やMRIなどの画像検査を検討することがあります。海外の一次診療向けレビューでも、深部にある腫瘤や5cm以上の皮下腫瘤ではMRIなどによる評価が重要とされています。
見た目や生活上の支障がある
良性が疑われる場合でも、衣類に当たる、圧迫感がある、見た目が気になるなどの場合には、摘出を検討することがあります。
検査・診断
診察
まず、しこりの場所、大きさ、硬さ、動きやすさ、痛みの有無、増大のスピードなどを確認します。
脂肪腫は診察でおおよその判断ができることもありますが、見た目だけで確定できない場合もあります。
MRI・CTなどの画像検査
大きいもの、深い場所にあるもの、急に大きくなったもの、診察だけでは判断が難しいものでは、MRIやCTなどの画像検査が必要になる場合があります。
検査が必要と判断した場合は、連携医療機関へご紹介します。
病理検査
手術で摘出した組織は、必要に応じて病理検査を行い、顕微鏡で確認します。
脂肪腫と思われるしこりでも、まれに別の腫瘍であることがあるため、摘出後の確認は大切です。
当院で行う治療
経過観察
小さく、症状がなく、診察上も典型的な脂肪腫が疑われる場合は、すぐに手術をせず経過をみることもあります。
ただし、自然に消えることはあまり期待できません。大きくなる可能性もあるため、変化がある場合は再診をおすすめします。
手術による摘出
脂肪腫の主な治療は、手術による摘出です。
局所麻酔を行い、皮膚を切開して脂肪腫を周囲から剥離し、できるだけ一塊として取り除きます。
形成外科では、腫瘍を適切に摘出するだけでなく、傷あとができるだけ目立ちにくくなるよう、切開線の向きや縫合にも配慮します。
ただし、傷あとが完全になくなるわけではなく、体質や部位によって赤み・盛り上がり・色素沈着などが残ることがあります。
大きい脂肪腫・深い脂肪腫の場合
脂肪腫が大きい場合や筋肉の近く・深い場所にある場合は、外来手術での対応が難しいことがあります。その場合は、適切な医療機関へご紹介することがあります。
当日処置が可能か
脂肪腫は、診察当日に処置・手術が可能な場合があります。
ただし、以下のような場合は、後日の予約手術や、画像検査後の治療となることがあります。
後日の処置になりやすい場合
- しこりが大きい場合
- 深い場所にある場合
- 血管や神経の近くが疑われる場合
- 悪性腫瘍など他の病気との鑑別が必要な場合
- 複数個ある場合
- 手術時間の確保が必要な場合
- 当日の予約状況により十分な処置時間が取れない場合
当院では、診察当日に処置可能な場合もありますが、部位や大きさ、しこりの状態、予約状況によっては、後日の処置をご案内することがあります。安全に治療を行うため、診察時に適切な方針をご説明します。
治療後の注意点
創部を清潔に保ちましょう
手術後は、医師の指示に従って創部を保護してください。
シャワーや入浴の可否は、部位や手術内容によって異なります。診察時に具体的にご説明します。
強い運動・飲酒・長湯は控えることがあります
手術後しばらくは、血流が良くなる行動により出血や腫れが出やすくなる場合があります。
運動、飲酒、長湯、サウナなどは、医師の指示に従って控えてください。
出血・強い痛み・腫れがある場合
ガーゼが血で大きく濡れる、強い痛みが続く、赤みや腫れが強くなる、膿が出るなどの症状がある場合は、早めにご連絡ください。
抜糸・病理結果の確認
縫合した場合は、部位に応じて後日抜糸を行います。
また、病理検査を行った場合は、結果説明のために再診が必要です。
WEB予約のご案内
皮膚の下のしこり、脂肪腫が疑われるふくらみ、少しずつ大きくなっている皮下腫瘍が気になる方は、まずは診察で状態を確認します。
当院では、診察当日に処置可能な場合もありますが、部位や大きさ、しこりの深さ、予約状況によっては、後日の手術や他院での画像検査をご案内することがあります。
受診をご希望の方は、WEB予約よりご予約ください。
「形成外科・皮膚科のご予約」からご予約いただくとスムーズです。